海外ポスドクの薦め

研究室の選択および応募

ポスドクとして海外研究生活をするに当たって、もっとも重要なことのひとつが研究室の選択である。研究室選択の良し悪しで、海外ポスドク生活が自分にとって実りあるものになるかどうか半分は決まってしまうと言ってもよい。

研究したいテーマに沿っているか、自己の研究レベルの向上に役立つ新しい研究技術を学べるか、また研究室のPI(Principal Investigator、一般には教授)とのコミュニケーションが円滑に行えそうか、などが重要な判断基準となる。 そのためには日頃から論文をよく読み、海外の研究動向に目を配ることが重要である。また、指導教官にコネクションがある場合は別として、自分からある程度行動する必要がある。

国際学会などに参加したら、興味ある研究室のポスドクや学生と話すことで、将来のsupervisorとなる人の研究室での指導のスタイル、研究の進め方などについて生の情報が得られる。国際学会に目当ての教授本人がいる場合には、直接話してみるのが一番である。ポスドクは研究活動の主要な担い手であり、国際学会は将来ポスドクとなる優秀な人材を教授たちが発掘する場でもある。相手の研究についての適切な質問や自分の研究、業績を紹介することはアピールにつながる。

研究したいグループが絞れたら、指導教官などとも相談した上で、教授にメールなどでポスドクとしてグループに加わりたいとの希望を伝える。 その際、CV(Curriculum Vitae)をメールに添付する。 個人的には、Gordon Research Conferenceに東大の岩田耕一氏、理研の田原太平氏らと出席した時にMukamel研究室を訪問し、その後メールのやりとりでポスドクに来ないかという話になった。その後岡崎で行われたConference on Time-Resolved Vibrational Spectroscopy (TRVS)でもう一度話し合い、濵口先生とも相談した上でポスドクに来ることが決まった。